ダイヤモンド社から出版された「財務諸表は三角でわかる」
難しいと思われがちな財務諸表を三角形というビジュアルを使ってわかりやすく理解していく本。
数字の読めない社長の素朴な疑問に答えてくという構成なので、題材も身近で自分ごとして考えやすい。
■思ったより利益が出ていないのは何故?
殆どの場合、減価償却費が原因。
機械は資産なのでBSに乗るがPLに乗らない 。
減価償却費はBSに乗らない(資産としては減らしていく)、がPLに乗る。
例えば、5年で減価償却する場合、5年目でやっとBSの資産の部から消える。
PLで利益が増えないのは、お金は減っていないけど、毎年減価償却で架空の経費が計上されるから利益がないように見える
なるほど、そうゆうことだったのかと膝を打った。
■借金は2種類
・設備投資のため
・運転資金のため
資金ショートを起こすくらいなら、ショートになる前にたくさん借り入れしておいたほうがいい。
これが経営の鉄則。このときに見かけ上の数字に騙されず、きちんと正しい現金預金を把握できる体制が大事。
毎年粉飾決算をしているといつかバレるし、正しいお金の管理もできなくなる。
■銀行は財務諸表のどこを見るのか
・BSは会社の価値
売掛金や在庫が前記に比べて増えていれば粉飾を疑う
経営者への貸付金は銀行のお金を回したのではないかと思われ嫌われる
仮払金は回収可能なのかシビアにチェックされる
中小企業の財務諸表は疑いの目で見られる
上場していない中小企業は数字をいくらでも操れるので
そもそも間違っている、怪しい、という目線で判断しているらしい。
・PLは本業の利益
経常利益が大事
最低3期は黒字
・CFはBSを2期まとめたら作れる
CFは作らない中小企業も多い
■法人税は所得800万円超で33%それ以下は20%
■財務諸表を三角で見るとは?
本書の本題。
三角は何回かでてくる。
まずはこちら。
BSの形をまとめたもの。
企業活動というのは、調達、投資、回収の3サイクルが基本。
難しく思われるBSだけど、書いてあることは意外と単純。
そして役に立つな~と思った三角がこちら。
BSの右側は純資産の多い三角がいい
BSの左側はすぐに現金化できるものが多い逆三角がいい
この形は暗記しておこうと思った。
なお本書の内容はダイヤモンドオンラインで連載されていたもののよう。
三角の図もオンラインから確認可能。
▶貸借対照表(B/S)の左右は上下逆の三角で考えると、ストンと腹に落ちる | 財務諸表は三角でわかる | ダイヤモンド・オンライン
■感想
結構初歩的でわかりやすい本だった。
保険での節税はダメとしきりに言っていたのだけど、著者のプロフを見て納得。
保険節税のせいで自殺してしまった経営者をまのあたりにしたからだ。
本文中ではそのようなことは語られなかったけど、あれだけ保険に反対するのも一理あると思った。
みんながやっている保険節税だけど、利益剰余金を増やすことのほうが会社に利益をもたらすとのことでした。
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大久保 圭太
ダイヤモンド社
2019-03-21
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