廃墟ディスカバリーがいいです
表紙の写真からして、この七色の色彩、素人ではなかなか出せません
雨上がりの軍艦アパートなんだとか
プロ写真家が撮る廃墟写真はその質感や雰囲気までもが再現されていて、やはりいいです
廃墟の中は静寂。いつの日か死んでいる空間を記録する時生きていると感じるようになっていました。日常を打ち破りたくて、非日常の異空間へ。
鬱であれば鬱であるほど、廃墟という非日常の空間に感じ入ります
自分が生きているこの現実世界に、こんな、時空を超えた世界が存在するとは・・・!
じゃあ今自分が苦しみながら生きている現実の環境てなんなんだろうって、馬鹿馬鹿しくなってくるんですよ
鬱の人は死ぬ前に廃墟を見に行ってほしい
きっとそこで、生きる希望が芽生えます(笑)
なにせ、廃墟探訪は結構命がけなんです
本書には多数の廃墟が収録されていますが、廃墟って「立ち入り禁止」を乗り越えてなんぼなんで、多分いろいろ「越えていった」んじゃないかな
そうまでしないと、見れない、貴重な光景なんです
「超えられる人」は人生における「壁」も乗り越えられる存在だと思います
廃墟好きに常識にとらわれない変な人が多いのも、一歩踏み出す決心があるからかな
工場ディスカバリーもよかった
大きいトラックが地面を揺らしながら通ったり、夜間は人気が無かったり、たまに嗅いだことがないような臭いがしたりと、危ないこともありますが、工場地帯の非日常的雰囲気は刺激的です。個人的には製鉄所の高炉の力強い感じが凄くかっこよくて好きです。イカしてます。
刺激的で、非日常なんです
だからこそ、追い求めてしまうのです
著者が兵庫出身とだけあって本書に収録された工場は近畿地方のものが多く、関東近郊はあまりありません
でも地方の工場ってあまり情報がないので逆に貴重です
しかもプロが撮るとまた美しいこと!
近年「工場夜景」として広く一般にも工場美は認知されつつあります
関東で有名な神奈川県川崎市の工場地帯
ここでは「工場夜景クルーズ」として工場夜景を楽しむツアーもあるのです(笑)
写真だけでもものすごい熱量の工場たち
わたしはこうしたものを、肉眼で見ることに価値があると思います
いいね!と思った工場はメモして、いつか、この目で見てみたい
写真は補助的な「目」にしかなりえません
大事なのは原体験
自分の目で見て、何を思うか。
その資料集めとして、廃墟ディスカバリー、工場ディスカバリー、非常に良かったです
場所についてはそこまで言及がないのですが、その辺はしょうがないこと
自分で調べる他ありません。
著者の廃墟ブログでは写真集には乗り切らないくらい多くの廃墟写真を拝めます
編集